
情報通信研究機構
Beyond 5G研究開発促進事業
マイクロアクチュエータを用いた
テラヘルツ帯コヒーレントトランシーバの開拓
(NICTの社会実装支援プロジェクトによる)
本プロジェクトでは、Beyond 5G(B5G)通信インフラの研究開発、そして普及を加速化する基盤技術として、さらなる高速・大容量・低遅延化、そして低消費電力化を目指したテラヘルツ帯コヒーレントトランシーバについて研究開発を行います。
また、マイクロアクチュエータを用いたチューニング技術を開拓し、性能劣化の補償および最大通信性能を達成し、モジュールの高効率化を図ります。


プレスリリース資料:https://ssl4.eir-parts.net/doc/6810/ir_material21/202018/00.pdf
(マクセル株式会社)
Beyond5G/6Gとは
携帯電話やスマートフォンなどの通信技術の進歩は著しく、最近では第5世代(5G)通信が利用可能となりました。2030年代にはBeyond5G/6Gと呼ばれる通信サービスが開始する予定です。

高野恭弥,Keysight World東京2023
Beyond5G/6Gでは、5Gの特長である「高速・大容量」、「低遅延」、「多数同時接続」の機能を更に高度化することに加え、新たに「超低消費電力」、「通信カバレッジの拡張性」、「自律性」、「超安全・信頼性」などの機能の実現が期待されています。

5G通信以上の高速・大容量通信を目指すため、Beyond5G/6Gでは従来の周波数帯域に加え、100GHz以上の周波数帯の使用が検討されています。
この帯域を「テラヘルツ帯」と呼びます。

高野恭弥,Keysight World東京2023
テラヘルツ帯の特徴
一般的に電波は周波数が高くなれば高くなるほど、伝送できる情報量は多くなる一方、光の性質に近づくため直進性が強く、障害物での減衰も大きくなります。

高野恭弥,Keysight World東京2023
そのためテラヘルツ帯の電波を通信に利用しようとすると、私たちが普段使っているwifiなどの5GHz以下の周波数と比べ直進性が強く、電波の損失が大きいため届きにくいエリアが発生してしまいます。

またテラヘルツ帯の電波の特徴として、大気中の水分子により電波が減衰することが挙げられます。そのため、テラヘルツ帯を通信として利用する際は、水分子の影響を受けづらい200 GHz~300 GHzの領域を用います。
日本では252 GHz~275 GHzが移動通信として割り当てられています
